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タイ・ユニオン、エシカルなツナ缶目指しNGOと合意

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今回の合意事項には「海上の労働者が人道的で公平な待遇を受けること」も含まれる

Sustainablebrands.comから転載]

世界のツナ缶最大手タイ・ユニオンは7月11日、よりサステナブルかつエシカルな水産物調達を求める消費者からの約70万筆の署名に応え、国際環境NGOグリーンピースと合意した。新たに公表した行動計画では、マグロ・カツオ漁における混獲防止策や人権侵害の監視システムなどを導入する計画。今後もグリーンピースと半年ごとに会合を開き、サプライチェーン全体の改善を検証していくという。(瀬戸内千代)

生態系保全策としては、FADs(人工集魚装置)の使用を2020年までに半減すること、および、はえ縄漁を一本釣りや引き縄に移行することを発表した。いずれも、混獲によるウミガメやサメなどの犠牲を減らす効果が望める。

倫理面では、暴力などの人権侵害やIUU(違法・無報告・無規制)漁業の温床になりかねない遠洋漁業の現場に着目。漁の長期化を招く「洋上転載」の一時禁止や、オブザーバー乗船による監視を行う。サプライチェーン企業の行動規範などを第三者が監査する仕組みもつくる。

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EY報告書、「存在意義を伝えること」が生き残りの鍵

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Image Credit: EY

Sustainablebrands.comから翻訳・転載] 監査法人アーンスト・アンド・ヤング(EY)の最新の報告書によると、調査対象となったビジネスリーダーの大多数は「確固たる企業目的(存在意義)を持つこと」を重要視しており、「株主に多くの利益をもたらすことが最重要だ」と回答した人々は少数派にとどまった。同報告書は、世界各国の先進国及び新興市場における、さまざまな業界を代表する1470人を対象に行われた調査に基づいている。この調査は、「利益を上げることではなく、存在意義を持つこと」が変動の激しい、不安定な世界経済の中で成功する鍵であることを明らかにした。(翻訳:梅原 洋陽)

この報告書は、企業や組織の「存在意義」の捉え方に著しい変化が起きていることを明らかにした。調査の回答者の33%は「組織の存在意義」を「顧客に利益をもたらすことである」と答え、15%は「株の価値を高めること」、11%は「従業員に利益をもたらすこと」だと回答した。これに対し、40%は「組織の存在意義」を「さまざまなステークホルダーに価値を生み出すこと、または、社会での存在意義を高めること」だと答えた。これらの回答はいずれも単一のステークホルダーグループに焦点を当てていた。

なぜこのような変化が起こったのだろうか。その答えはレジリエンス(回復力)にある。企業の存在意義を幅広く定義し、それを組織内で体現している企業の68%は、「明確な社会的存在意義も持つことが、変化の激しい混乱の時代の中で、常に革新をもたらす能力を与えてくれる」と答えた。

さらに同調査は、多様な存在意義を組織のDNAに深く根付かせている97%の企業は、そう取り組むことにより、さまざまな点において組織の価値が確実に高まったと報告している。例えば、ブランドの価値と評価を保つために顧客のロイヤルティを高めること、新たに革新的な製品を開発する能力を養うことは、組織の存在意義を企業活動の中心に組み込むことによって可能になる。その結果、企業は競争力を維持しながら厳しい経済環境下においても価値を生み出し続けることができると伝えている。

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国連、最新のSDGs報告書を発表――加速化が必要

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[Sustainablebrands.comから転載]

国連は7月17日、SDGs(持続可能な開発目標)の進捗をまとめた最新報告書「持続可能な開発目標(SDGs)報告2017」を公式発表した。アントニオ・グテレス国連事務総長は、「多くの国で進捗が遅れており、SDGs達成のためには取り組みを加速させる必要がある」と語っている。(オルタナ編集部=小松遥香)

報告書によると、現在、世界では、約7億6700万人が極度の貧困にあたる国際貧困ラインの1日1.90米ドル以下で暮らしている。地域では、サハラ砂漠以南に次いで、オーストラリアやニュージーランドを除くオセアニア諸国、中央・南アジア、南米・カリブ諸国の順に貧困率が高い。

国連は、取り組みの加速化が必要な分野として、5歳以下の子どもの死亡率や妊産婦死亡率の高さなどを挙げた。報告書によると、2016年時点で、5歳以下の子どもの栄養失調による死亡者数は約1億5500人。

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「5なぜ」でひも解く、トヨタ式「要因解析」

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トヨタ財団は7月13日、トヨタ自動車の問題解決手法をNPO向けに伝える「トヨタNPOカレッジ カイケツ」第4回を開催した。今回は「問題解決」の8ステップの「目標設定」と、問題の真因を探る「要因解析」。17団体の代表が4グループに分かれて、要因解析の手法「5なぜ」などを行いながら、問題の解決方法を探った。(オルタナ副編集長=吉田広子)

「トヨタNPOカレッジ カイケツ」は、トヨタ財団が助成金を拠出するだけでなく、トヨタ自動車の手法を活用し、NPOに問題解決力を身に付けてもらうことを目的に企画した。これにより、各NPOが社会課題解決の担い手として各地域で活躍してもらうことを目指す。2016年度に続き、2期目の開催となる。

講師は、トヨタ自動車業務品質改善部の古谷健夫主査、同社同部第1TQM室の藤原慎太郎主査のほか、元トヨタ自動車の改善QA研究所の杉浦和夫氏、のぞみ経営研究所の中野昭男所長の4人が務めている。

■目標はより具体的に設定

働き方を見直している特定非営利活動法人芦生自然学校の総務部長・青田真樹さん

特定非営利活動法人芦生(あしう)自然学校(京都府南丹市)の総務部長・青田真樹さんは、本来の業務である企画や総務の仕事に時間を割くため、働き方の見直しを進めている。青田さんは、京都・美山を拠点とし、芦生自然学校を含めた5つの組織で働いているという。

現状把握として、どの業務にどのくらい時間をかけているか、労働時間の記録を付けたところ、最も時間を割いていたのが会議や打ち合わせで、その次が移動時間であることが分かった。京都市内にある行政機関との打ち合わせも多く、移動時間だけで全体の2割を占めていた。

青田さんは、「体感的に時間がかかっていることは分かっていたが、ここまで会議や移動に時間をかけていたことに、記録を付けて初めて気付いた」と言う。

現状が把握できたら、次は「目標設定」だ。藤原講師は、「初めから長期的で大きな目標を立てず、まずは3カ月程度先をゴールに見据えて、頑張れば達成できそうな目標を設定するのが良い。問題解決のステップを繰り返していくことで、段々と大きな問題にも対応できるようになる」と助言する。

青田さんは、会議の資料作成と移動時間に焦点を当てた。どのくらい削減するか、パーセンテージや時間など数値で目標を設定する。

■なぜ整理・整頓ができないのか

魚の骨図とも呼ばれる「特性要因図」の一例(2016年度「カイケツ」の実績から)

設定した目標を達成するために行うのが、問題を発生させている要因を探る「要因解析」である。よく使われるのが、「魚の骨図(フィッシュボーン)」と呼ばれる「特性要因図」だ。杉浦講師は、「一度、『特性要因図』を作成すると、問題解決の基礎を学べる」と説明する。

特性要因図は、まず、右端に特性(結果)を記入する。次に、4M (人、機械・設備、方法、材料)で分類しながら、魚の骨のように要因を書き出していく。この時に、「なぜ、なぜ」を5回繰り返しながら、要因を分解するのがポイントだ。

あるNPOは「スタッフがゴミ捨てをしない。事務所が雑然としている」という問題を抱え、「9月までに事務所の掃除レベルを100%にする」という目標を設定した。

中野講師は、「『ムリ・ムラ・ムダ』を無くすトヨタ生産方式の基本は5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)。なかでも、整理、整頓の2Sは基本中の基本で、軽視できない」として、要因解析を行った。

「ゴミ捨てをしない」という特性に対し、場所に関する要因として「捨て場所が分からない」、人に関する要因として「意識が低い」「指示がない」、物の要因として「道具が分からない」、方法の要因として「捨てて良いか分からない」「目的が分からない」――などが挙げられた。

中野講師は、「整理・整頓ができていないということは、要るか、要らないか、判断基準がないということ。掃除をきっかけに、組織の運営が一歩前進するはず」と話した。

「ゴミ捨てがされない」に関して、要因解析を行う中野講師

■防災備蓄食品の配布を効率的に

防災備蓄食品を福祉施設やフードバンクに寄贈したり、リサイクルしたりするなどして、食品ロス(フードロス)を削減しているのは、食品ロス・リボーンセンター(東京・千代田)だ。

都や市町村、民間企業などから防災備蓄食品を受け取り、賞味期限内であれば、福祉施設やフードバンク、生活困窮者、子ども食堂などに寄贈している。賞味期限切れのものは、食品リサイクル事業者が肥料やバイオマスにリサイクルする。

2016年は食品約50トンを寄贈し、約10トンをリサイクルに回した。2017年は約3倍にあたる150トンの処理を目指している。

防災備蓄食品の流れと取引内容を「見える化」したところ、代表理事の山田英夫さんは、「困っている人がいれば何とかしたいと思い、できる限り対応してきたが、物流や管理体制が複雑になっていたことに気付いた。ガイドラインやルールを作成し、効率的な分配を進めたい」と言う。

食品ロス・リボーンセンターの代表理事・山田英夫さん(左)と山田怜奈さん

カイケツには、資金調達の拡大と、関係者との関係を構築し、組織の基盤づくりを行いたいという思いから参加した。同団体の山田怜奈さんは、「行政からの支援はあるものの、ボランティア的な事業にとどまっていたことが分かった。持続的に事業を続けていくために、どのように経費を抑えられるのか、どうやって収益化するかを考えていきたい」と意気込む。

古谷講師は、「ガイドラインの作成は、あくまで対策の一つ。何のためのガイドラインなのか、ガイドラインを作ることで、どのような姿・状態になりたいかを思い描くことが大切だ」と言う。

「要因解析」の次のステップは「対策立案」。古谷講師は「組織内で対策を実行しようとすると、抵抗されることもある。A3にまとめることで、説得力が増し、協力が得やすくなる」と話した。

■活動紹介は「13文字」で

講座終了後には、オプショナル講座が開かれ、オルタナの森摂編集長が「引き算の広報戦略」について話した。「幕の内弁当」のように、いろいろ入っていても、何を伝えたいのか分からない「足し算の広報戦略」に対し、「うな重」のように離れていても一目で分かり、匂いが漂ってくるような広報戦略を「引き算の広報戦略」と呼ぶ。

森編集長は「団体や活動紹介は、できるだけ簡潔にした方が伝わりやすくなる。新聞やヤフーニュースの見出しなどは、13文字以内で言い切っている」と説明する。

13文字にまとめる手順としては、まず、「これを入れておきたい」というキーワードを10ほど選ぶ。そのうち、必須のキーワードを3つほどに絞り込む。これを一つの文章に組み上げ、文字数があふれたら、刈り込んでいく。

森編集長は「理想は13文字、長くても25文字以内にまとめてほしい。常に情報を短くまとめる訓練をすることで、頭の整理もでき、組織内外に伝わりやすくなる」と続けた。

カイケツの第5回は、8月3日に開催される。グループ内で中間発表を行うほか、「対策立案」の計画を立てていく。

<トヨタ自動車の「問題解決」の8ステップ>

1.テーマ選定:
解決すべき対象を決める。問題の重要性、問題が拡大傾向にあるか、問題の影響の大きさなど様々な観点から何を解決すべきか判断する。経営者の重要な役割。

2.現状把握:
現状の姿を客観的かつ定量的に認識すること。事実・データに基づいて伝えることがポイント。

3.目標設定:
何を、いつまでに、どのようにするのかを具体的に決める。マイルストーンを置いて、取り組みの経過を可視化する。この目標を達成すると、選定したテーマを解決できるレベルに設定する。

4.要因解析:
なぜを繰り返して、真因を探る。なぜを繰り返すことで、具体的な実施事項が出てくるので、論理的、合理的な解決策が期待できる。

5.対策立案:
対策内容を整理して、実行計画を立てる。5W1Hを明確にして、最も効果的と思われる対策案から手掛けていく。

6.対策実行:
計画通りにやりきることが大切。

7.効果確認:
対策内容への評価を行う。「対策をほとんど実施し、期待通りの成果が出た」「対策はほとんど実施したが、成果は得られなかった」、「対策はほとんど実施しなかったが、期待通りの成果が得られた」、「対策はほとんど実施せず、成果も得られなかった」の4つのパターンが考えられる。

8.標準化と管理の定着:
効果が出た対策の内容を標準化して、その後の取り組みに反映させていく。こうすることで、同じ問題の再発を防いでいく。

◆第1回「テーマ設定」――「悩み」から「問題の明確化」へ

◆第2回「現状把握」――対策の効果を上げるトヨタ式「現状把握」のコツ

「グリーン天職バイブル」2018-2019

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株式会社オルタナは、「グリーン天職バイブル」サービスを今年8月にも全面リニューアルし、「グリーン天職バイブル」2018-2019として今年8月から新たにスタートさせます。

「グリーン天職バイブル」は、学生や転職希望者が規模や知名度で会社を選ぶのではなく、働きやすさ、サステナビリティ経営、CSR経営などへの取り組みや社長の「志」で会社を選んでもらう、新しい形の求人案内サービスです。

ウェブサイトでは、企業経営者自身に「当社のこだわり」(同業他社と違うところ)「経営の志」(会社としてどんな価値観を大切にしているか)「特筆すべきCSR活動」「理想の社員像」(こんな社員と働きたい)の4項目+若手社員からのコメントを執筆いただきます。

掲載希望の企業経営者には、一般社団法人CSR経営者フォーラム(代表理事・森 摂=株式会社オルタナ代表取締役)にご入会頂くとともに、同フォーラムの「熊本宣言」(下記ご参照)に同意いただきます。(フォーラム入会費1万円、年会費1万円)

■「グリーン天職バイブル」2018-2019概要
参考ウェブサイト:「グリーン天職バイブル」2015-2016

掲載料:基本料金10万円(税別)オルタナ編集長メルマガ(29000人)に2回配信付き *成功報酬15万円(税別)弊社サービスにより社員が入社した時点で発生します
求人対象: 大学生、大学院生(新卒)、第2新卒、転職希望者
お問い合わせ先:株式会社オルタナ 担当:池田 真隆(オルタナS編集長)info@alterna.co.jp 03-6407-0266
お申込み:ただいまフォームを作成中です。しばらくお待ちください。

■グリーン経営者向け会員サービスのご案内
人事・労務のプロフェッショナルである有限会社人事・労務による「人材士・SQ(つながり)診断」など各種サービスを割引料金で受けられます。
http://www.jinji-roumu.com/jin_top.html

■一般社団法人CSR経営者フォーラム「熊本宣言」
グリーン経営者フォーラム2014 熊本宣言
1)私たちは、『グリーンな』価値観を企業経営に積極的に導入し、社会の革新を引き起こす存在であり続け、企業価値を高めていくことで、自らの企業や団体をさらに持続可能な存在にしていくことを目指します。

2)そして、業種や規模や地域を問わず、このような『グリーンな』価値観をより多くの企業や団体と共有し、横のネットワークを拡充していくことで、21世紀における、より理想的な資本主義のあり方を追究していきます。

3)上記の目的を遂行するためにも、「グリーン経営者フォーラム」をこれまでの任意団体から、できるだけ早く一般社団法人化し、経済社会の中での地盤を固め ます。これにより、会員企業や団体のそれぞれが、より持続的な経営を目指すとともに、本フォーラムを「グリーンな経団連」として存在価値を高めていきま す。将来的には政策提言など、さまざまな情報発信をしていきます。

※グリーン経営の12大要素
1)クリーン・エネルギー(脱原発、自然エネルギー推進)
2)第一次産業(農林水産業と連携し、真の自立を支援)
3)パートナーシップ(NPOや地域との協働をテコに)
4)オーガニック(有機農産物やスローフードを奨励)
5)フェアトレード(内外の公正取引を貫く経営を)
6)3R(リデュース、リユース、リサイクルを推進)
7)ダイバーシティ(性差や障がいの有無を問わない)
8)フットプリント(ビジネスによる環境負荷を最小化する)
9)社員を大事にする経営(厳しくも温かいリーダーシップ)
10)ソーシャル・ブランディング(社会との接点を増幅する)
11)インテグリティ(社員や社会に対して誠実であること)
12)健全な財務基盤

パリ協定支持の米知事ら新運動「アメリカズプレッジ」

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マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長©Ralph Alswang

Sustainablebrands.comから転載] トランプ米大統領が「パリ協定」離脱を表明したのに真っ向から反対し、米カリフォルニア州知事らが12日、気候変動に対応するよう呼びかける新たなイニシアティブ「アメリカズプレッジ」(アメリカの公約)を発表した。(寺町幸枝)

昨年末から複数の州知事や市長、企業らが参画している「ウィー・アー・スティル・イン」(We Are Still In)宣言の流れに沿った動きだ。米国における温暖化ガス削減のための具体的な施策や成果を、報告書作成を通じて国際社会に表明する。

7月7-8日にかけて独ハンブルグで開催されたG20サミットでは、米国を除く各国代表者らが環境問題対策で「パリ協定」への取り組みをさらに前進させることに合意した。これを受け、ブラウン知事とブルームバーグ前ニューヨーク市長が主導し、政府の動きとは別に、環境対策を推進することを改めて宣言した形となった。

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88年以降のCO2総排出量の7割、化石燃料業界から

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Image Credit: ExxonMobil/Fortune

Sustainablebrands.comから翻訳・転載] 国際環境評価NGOの英CDPは7月10日、1988年―2015年までの世界の二酸化炭素排出量の71%を、化石燃料業界の100社が占めていると最新の報告書「カーボン・メジャース・データベース」で発表した。(翻訳:クローディア―真理)

同報告書は、クライメート・アカウンタビリティ・インスティチュート(CAI)のデータベースをもとに、企業が排出したCO2について解説し、さらに将来の見通しにも触れている。CDPテクニカルディレクターのペドロ・ファリア氏は、「CO2排出量の削減に対処するための、組織的な変化を遂げるための鍵を、わずか100社が握ることを、この事実は示している」とした。

100社には国営、民間の企業が含まれる。特に民間企業は、同業界の32%、世界の全産業における5分の1のCO2を排出。サステナブルな経済への移行には、個人投資家の責任投資に対する意識醸成が不可欠であることを浮き彫りにしている。投資家は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に沿った情報開示と、パリ協定の目標に照準を合わせ、「サイエンス・ベースト・ターゲッツ・イニシアティブ(SBT:科学と整合した目標設定)」に即した削減目標の設定を、企業に求める必要がある。

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アデコ、「難民の労働市場整備」に関する白書を発表

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「難民の労働市場の整備」に関する白書

Sustainablebrands.comから転載] 人材大手のアデコグループ(本社:スイス)は6月、「難民の労働市場の整備」に関する白書を発表した。世界中で難民が増加する中、移住先の国々で職に就けることはあまり多くない。だが、同白書では難民の労働環境を整備することが、GDP成長につながると分析している。イケアやスターバックス、ソフトウェア大手のSAPなどの事例を示し、企業や行政に向けて雇用の整備を提言する。(辻 陽一郎)

国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグローバル・トレンド・レポートによれば2016年末で、国内外に逃れた難民・避難民は6560万人に上る。しかし、難民が仕事に就くためには、法的に働くことが認められることや複雑な資料、言語の違いなど超えるべき壁がある。

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第1回CSRフェス2017

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株式会社オルタナと日本財団CANPANプロジェクトは2017年7月24日、「第1回CSRフェス2017」を開催します。当日は、100人前後のビジネスパーソンや学生、NGO/NPOが集まる予定です。企業×NGO/NPO×学生間のネットワークをつくります。NPO10団体、企業5社がブース出展いたします。

<タイムテーブル(予定)>
13:15 受付開始:くじ引きで最初の座席を案内
13:30 オープニング:開催説明・自己紹介・出展者紹介
13:15 講演:「SDGsとビジネスとCSR」オルタナ編集長・森 摂(45分)
14:00 全員で写真撮影(スタートファンファーレのようなイメージに)
14:10 CSRプレゼンテーション(5分×最大15社)
16:00 CSRダイアログ: 80人を15グループに分け、(出展者がリーダー)
1)出展者への質疑応答 2)出展者への感想・意見交換ーーを展開
16:40 気づきの共有シートの記入
16:50 感想のシェアタイム
17:00 終了

◆ブース出展団体(ブース: NGO/NPO10団体、企業5社)
企業(五十音順):大川印刷ギンザのサヱグサ中越パルプ工業博展薬樹

とき:2017年7月24日(月)13:30~17:00(受付開始:13:00)
ところ:日本財団ビル 大会議室(東京・港)
対象:ビジネスパーソン一般(企業、各種団体)、学生 いずれの属性でも「CSRの初心者」にも分かりやすい内容・レベルとします。
定員:80名
参加費:1,000円
申込はこちら
主催:株式会社オルタナ、日本財団CANPANプロジェクト

アマゾンの買収、コンシャス・キャピタリズムを問う

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アマゾンがホールフーズの買収を発表しました。アマゾンにとっては、長年目指していた食品市場での足場固めにつながります。富裕層やミレニアル世代の顧客に人気のある有機野菜などの生鮮食品の販売網を獲得できるほか、店舗受け取り、宅配代行など、ネットとリアルの融合の様々な実験が可能となります。(水上 武彦)

一方、ホールフーズのほうは、既存店売上高が7四半期連続で減少しており、今年に入ってから、アクティビストのジャナ・パートナーズが8%強の株式を取得し、買い手を捜すよう圧力をかけていました。

アマゾンは、ホールフーズの独立した経営を容認し、ジョン・マッキーCEOも現職に留まる見込みです。また、デジタル・テクノロジーや低価格販売のノウハウ活用も可能となり、ホールフーズにとっても経営的メリットがあります。

株式市場は、この買収を好意的に受け止めており、アマゾンの株価は上昇しています。一方で、この買収の影響を受けると予想されるウォルマートをはじめとする他の流通企業の株価は急落しています。

この買収で気になるのが、ジョン・マッキー氏が掲げていた「コンシャス・カンパニー/コンシャス・キャピタリズムの考えはどうなるのか?」ということです。

ジョン・マッキー氏は、著書『世界でいちばん大切にしたい会社-コンシャス・カンパニー』で、コンシャス・カンパニーと、コンシャス・キャピタリズムという考え方を提示しています。

消費者の3人に1人、サステナブルなブランドを選択

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Image credit: Unilever

Sustainablebrands.comから翻訳・転載] ユニリーバは、同社が実施した消費者調査の結果を今年1月に発表し、消費者のサステナビリティ(持続可能性)に配慮した商品への興味や関心について興味深い分析を行った。また、商品のサステナビリティを効果的に、偽りなく宣伝するブランドには、1兆ドル以上の市場機会が存在するとの見方を示した。(翻訳:梅原 洋陽)

この調査では、ブラジル、インド、トルコ、イギリス、アメリカに住む2万人を対象にサステナビリティに関する意識がどのように購買行動に影響を与えるかを調べた。その結果、消費者が社会や環境に対して良い影響を与えることをブランドに対して求めているということだけではなく、正しくこの実態を理解している企業にはこれまで以上のビジネスチャンスが存在することが分かった。

21%の回答者は、サステナビリティに配慮しているというメッセージをマーケティングやパッケージを通して伝えているブランドを支持すると答えた。

ユニリーバによると、サステナビリティに配慮した商品の現在の市場規模が2兆6500億ドル。サステナビリティに配慮していることを効果的に伝えられるブランドは、このうちの約1兆ドルを占める可能性を持っているという。

サステナビリティはビジネスに必須

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宅配ボックス設置で労働時間短縮―パナソニックが実証

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宅配ボックスの設置により、利用者、配達業者双方にメリットが認められた

Sustainablebrands.comから転載] パナソニックは福井県あわら市と共同で、同市在住の共働き世帯を対象とした「宅配ボックス実証実験」を2016年11月から今年3月まで実施した。6月にまとめた最終結果では、宅配ボックス設置により再配達率が49%から8%に減少し、労働時間は約223時間の削減となった。受取人の不在による再配達が労働環境の悪化やCO2排出量の増加を招くとして社会問題となっているが、同社は実証実験を受けて、6月から新たに宅配ボックス3商品を導入するなど製品による課題解決を目指す。(箕輪 弥生)

ここ5年間で、ネット通販などのEC市場は1.9倍に拡大し、それに伴い宅配便取扱個数も約4.7億個増えているという(経産省及び国土交通省)。そのうち約2割が再配達を余儀なくされている。この再配達による社会的損失は、CO2排出量が約42万トン、ドライバーの労働時間が年間1.8億時間と膨大だ。

パナソニックエコソリューションズ社(門真市)は、宅配BOXを設置することによる再配達削減数の効果検証を福井県あわら市と共同で行った。女性の就労率が全国で最も高い福井県において、あわら市が行う「働く世帯応援プロジェクト」に参画し、106の共働き世帯に宅配ボックスを設置し、前後での再配達の増減を定点観測して検証した。

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目からウロコの「ESG」超入門

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~ ビジネスと社会課題解決を両立させ、「らしさ」で競争優位を創り出す!待望の戦略メソッド ~

Sustainablebrands.comから転載] CSRブランディング最前線 第15回

「CSR」と「ESG」って、どこが違うんですか?最近、私の講座には、企業のIR担当やIRコンサルの方の参加が増え、この質問をよくいただきます。ただ、このシンプルながらも奥深いモヤモヤ感は、CSR部門のマネージャークラスにもあるようです。

「信用・信頼」は企業競争力

現代経営で一番大切なこと...それは、「会社を持続的に成長させ、社会的評価を高めること」だといわれます。また、社会的評価が高まれば、会社が持続的に成長させてもらえます。目まぐるしく変化する社会、すなわち、ステークホルダーに「対応」してこそ、信用・信頼が獲得できます。「対応」とは、英語で、response 。つまり、「CSR」のResponsibilityの「R」の本質がここにあります。先進のCSRの要諦は「社会対応力」であり、現代社会(図の左の矢印)からの要請や期待に応えることにあります。

一方、日本版スチュワードシップコードに署名している多くの機関投資家は、短期主義(ショート・ターミズム)から中長期への時間軸のシフトによる投資リターンを志向するスタンスに立ちます。したがって、中長期に持続的成長ができる企業を選別します。なので、「危ない会社」に投資するわけがありません。「危なくない会社」は、ステークホルダーから反発を買っていない会社、さらには、誠実な対応をして信頼されている会社という見方になります。

現代の優れた企業は、「CSR」を経営に組み込むことにより、ステークホルダーから信用・信頼を獲得し、社会的評価を高め、持続的成長・中長期の企業価値向上を目指します。それを投資家側は、非財務情報として「ESG(Environment/Social/Governance)」で評価するということです。

この文脈では、CSRによってもたらされる非財務情報が、投資家に「ESG」で評価され、時価総額(株価×発行済株式数)という観点からの企業価値向上に直結するわけです。そして、リスク・プレミアムの低下を通じて資本コストを引き下げることに結びつきます。

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7月24日開催「第1回CSRフェス2017」参加申し込みフォーム(学生専用)

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国産コーヒー豆を徳之島から――味の素AGFが生産支援

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左から徳之島コーヒー生産者会の吉玉誠一会長、鹿児島県大島郡伊仙町の大久保明町長、味の素AGFの品田英明社長、丸紅飲料原料部の梶原和幸部長

Sustainablebrands.comから転載] 味の素AGFはこのほど、鹿児島県奄美群島の徳之島でコーヒー豆生産を支援するプロジェクトに参画した。徳之島は国内でも数少ないコーヒー豆生産地の一つだが、生産拡大には台風や土壌の質、精選機や焙煎機の不足などの課題を抱えている。そこで、同社は味の素グループのASV(共通価値の創造)の一環として、コーヒー豆生産農家を支援するとともに、国産コーヒー豆を使った商品の企画・発売を目指す。(オルタナ編集部=吉田広子)

徳之島は、奄美群島のほぼ中央に位置する小さな離島だ。約1万人が暮らしている。年間平均気温は21.6度と温暖で、サトウキビの栽培が盛んだ。

「小さなころからブラジルの農業にあこがれていた。今から35年以上前、徳之島でキャッサバ(タピオカの原料)の葉が青々と茂っているのを見て、コーヒーも栽培できるのではないかと思った」

こう話すのは、徳之島コーヒー生産者会の吉玉誠一会長だ。36年前に徳之島に移住し、無農薬のコーヒー栽培を始めた。

吉玉会長は「栽培開始から4年後、初めて白い花が咲き、実がなったときは感動した。豆の焙煎技術を磨いて、『美味しい』と認めてもらえるコーヒーができるまで、7年ほどかかった」と振り返る。現在は自身が開いた喫茶店「コーヒースマイル」(鹿児島県伊仙町)で、徳之島コーヒーを提供している。

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WWF報告書、温暖化対策は食生活の見直しから

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Photo by Markus Spiske

Sustainablebrands.comから翻訳・転載] 英WWF(世界自然保護基金)は、新たに「地球の平均気温の上昇を2℃未満に抑える――健康で持続可能な食事」という報告書を発行した。同報告書によると、赤身肉の消費を減らすなど、最低限の食生活の改善によって、2030年までに温室効果ガスの排出を30%削減することができるという。(翻訳・編集:梅原 洋陽)

同報告書のタイトル「地球の平均気温の上昇を2℃未満に抑える」は、パリ協定が掲げる目標「産業革命前からの地球の平均気温上昇を2℃未満に抑える」に由来している。

全世界の二酸化炭素の直接排出量の20%は食糧と農業分野から排出されており、土地利用の変化も計算に入れた場合、直接排出量は30%に上昇する。汲み上げられた淡水の約70%が農業や灌漑に利用され、農業が世界の森林破壊、生物多様性の喪失の主要な原因となっている。食生活や生産方法を変えることで、食品の生産から消費までのフードシステムの環境負荷を大幅に減らせる。

英WWFのダンカン・ウィリアムソン食糧政策マネージャーは、「私たちが口にするもの、そしてその食糧の生産方法は、地球全体に影響を与える。食生活を改善し、フードシステムの生産効率を向上させることで、私たちの食べるものが環境に与える影響を激減することができる。パリ協定が拘束力を持つ現在、私たちは二酸化炭素排出量を減らす義務がある。私たちが何をどれくらい食べ、そしてどれくらい廃棄しているかは、地球温暖化対策のために重要だ」と語る。

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トヨタなどが風力源の水素で走るフォークリフトを稼働

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水素製造拠点となった横浜市風力発電所「ハマウィング」

Sustainablebrands.comから転載] 神奈川県やトヨタ自動車らが、自然エネルギーでつくった水素を地域で活用する低炭素なサプライチェーン実証モデルを構築し、7月12日に運用を始めた。「水素社会」を目指す環境省のプロジェクトの一環で、同事業では横浜に吹く風で水素をつくり、京浜臨海部のキリンビール工場などで稼働するフォークリフト12台の燃料とする。化石燃料に依存しない社会に向けて、同モデルの実用化を評価・検討するため、来年度まで運用するという。(瀬戸内 千代)

横浜市風力発電所「ハマウィング」が、蓄電池システムに加え、水を電気分解して発生した水素を圧縮貯蔵するシステムを新たに備えた。約20km圏内にある横浜市中央卸売市場とキリンビール横浜工場、および川崎市のナカムラロジスティクスとニチレイロジグループの物流センターの計4カ所に、豊田自動織機製の燃料電池フォークリフト12台を設置し、実証を進める。

水素残量はクラウド管理され、岩谷産業製の簡易水素充填車が1日1回、水素を届けるという。充填車はガソリンも使用するハイブリッドトラックだが、風力と水素を活用した同サプライチェーンモデル全体の二酸化炭素排出量は、従来の8割減となる見込み。

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WWF「企業の温暖化対策ランキング」第4弾を発表

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2017年6月23日、WWFジャパンは、「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトにおける第4弾の報告書を発表しました。このプロジェクトは、政府レベルでの温暖化対策に停滞感が見られる中、企業の取り組みを後押しする目的で2014年に開始したものです。

WWFジャパンの定めた基準をもとに、各企業の発行する環境報告書類の内容を調べ、その温暖化対策を点数化して、ランキングを公表しています。今回の調査対象となったのは「小売業・卸売業」に属する日本企業56社。第1位となったのは、イオン(61.1点)で、ローソン(57.3点)、日立ハイテクノロジーズ(54.5点)、キヤノンマーケティングジャパン(53.8点)、ヤマダ電機(51.6点)と続きました。

 

順位 企業 【総合得点】
(100点満点)
   
【目標・実績】
(50点満点)
【情報開示】
(50点満点)
第1位 イオン 61.1 20.8 40.3
第2位 ローソン 57.3 11.5 45.8
第3位 日立ハイテクノロジーズ 54.5 17.7 36.8
第4位 キヤノンマーケティングジャパン 53.8 18.8 35.1
第5位 ヤマダ電機 51.6 27.6 24.0

企業の温暖化防止の取り組みを評価

温暖化の進行を防止することを世界が約束した「パリ協定」。温暖化の原因となる温室効果ガス(CO2:二酸化炭素など)の排出量を21世紀後半には実質ゼロにし、地球の平均気温の上昇を2度未満(できれば1.5度未満)におさえようとする内容を持ちます。

パリ協定は、201512月、フランスで開催された国連の温暖化防止会議(COP21)で採択されました。米国トランプ大統領の同協定からの離脱宣言(20176月)などの紆余曲折はありますが、すでに、世界的な潮流となっている二酸化炭素の排出量削減。

そうしたなか、日本企業の温暖化防止の取り組みを評価し、促進させるプロジェクトにWWFジャパンは2014年から取り組んでいます。

20148月、その報告の第1弾として、「電気機器」に関連する日本企業50社を対象とした調査結果を発表。20152月には自動車業界を対象にした第2弾を発表し、続く20164月に食料品業界を対象とした第3弾を発表しました。

今回は、第4弾として、小売業・卸売業の30社を対象に評価を行ないました。これまでと同様に、各社の発行する環境報告書やCSR報告書などを基に、温暖化対策を評価。2017623日、結果を、「『企業の温暖化対策ランキング』 ~実効性を重視した取り組み評価~ Vol.4『小売業・卸売業』編」として発表しました。

調査対象企業は全部で56社ですが、2016年に環境報告書類の発行がなかった26社をのぞく、30社の温暖化防止の取り組みを評価しました。

小売業・卸売業界の上位企業

パリの郵便局屋上で職員有志が有機栽培、市も応援

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屋上で始まった有機栽培 ©sophiejankowski

フランスの郵便局の屋上で野菜や果物を有機栽培する動きが広がっている。きっかけは、パリ18区の郵便局の屋上でパーマカルチャーを計画した郵便局職員のグループが、パリ市の都市農業推進プロジェクトで入賞したこと。パリ市が応援したことで、郵便局からも屋上の使用許可が下りた。グループはNPOを作り、栽培を始めた。今後は他の地域で同様の活動をするグループと連携する。(羽生 のり子)

ソフィー・ジャンコウスキー氏。プロジェクトの説明の前で

パリ18区の中央郵便局で屋上栽培をすることを思いついたのは、郵便局員のNPO「郵便配達人・種」だ。会長のソフィー・ジャンコウスキー氏は、「1年前に屋上栽培をするアイデアが出て、有志4人でNPOを作った。農法を学び、食料の自給自足を目指す。私自身は、パーマカルチャーのパイオニア、福岡正信氏が考案した粘土団子を、街を花で満たすために子どもたちと作ったことがパーマカルチャーに目覚めるきっかけだった」と話す。

退職した元郵便局員で菜園経験のある2人を農業者として雇い、それに30~40人のボランティアが加わって活動する。900平方メートルの屋上には、野菜・果物・ハーブを栽培し、採れた作物は郵便局員や近くのレストランに販売する。鶏小屋を作って卵を生産し、ミツバチの巣箱を置いてハチミツも作る予定だ。

屋上の畑を世話する、職員 ©sophiejankowski

屋上では現在、トマトやズッキーニが実り始めている。クラウド・ファンディングで集めた2万ユーロ(約260万円)が資金になった。パリ郊外のオルセーの郵便局からは「同じようにやりたい」という反応があった。今後は他地域の郵便局と連携して連絡網を作るという。

地球温暖化を防止すると同時に、都市で食料を自給するため、パリ市は2016年1月、2020年までに市内の建物の壁や屋上に緑地7割、農地3割で100ヘクタールの緑化地帯を作る目標を掲げた。同年、「パリの栽培者」を意味する「パリキュルテール」という名称で、都市有機農業プロジェクトを募集したのはそのためだ。呼びかけに応じて、69のプロジェクトが集まった。18区の郵便局屋上栽培は、入賞した33のプロジェクトのうちのひとつだ。100ヘクタールの緑地が出現すれば、パリの風景は変わるだろう。

豊島の産廃事件、住民の語りが本に

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山下ナミさんの個人サイト「73edit」で、1冊1000円で販売中。売上は2冊目の砂川さんの本、または豊島の産廃に関する活動に生かされる。表紙の顔写真は砂川三男さん

瀬戸内海に浮かぶ香川県・豊島(てしま)の有害産業廃棄物不法投棄事件。発覚から約30年が経った今年3月、撤去作業が完了した。住民運動を続けてきた砂川三男さん(89)の語りをまとめた書籍『よっしゃ、やらんかい』は、いち事業者の違法ビジネスと、それを黙認する行政が招いた公害の重大さを浮き彫りにしている。7月28日まで高松市で展示会も開かれている。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)

事業者は、1991年に逮捕されるまでの約10年、自動車の破砕くずなど都市や工業地帯のゴミを運び込み、野焼きして埋め立てた。大量消費社会と、排出企業や監督行政の無責任を背景に、豊島の海辺には90万トン超の有害廃棄物が残された。

息の長い住民運動の結果、香川県は2000年に公害調停に合意。謝罪して原状回復を約束した。2017年3月に島外搬出を、6月に隣の直島での処理を終えたが、地下水浄化は2022年まで続く。国税を含む700億円以上が費やされてなお、事件は完結していない。

砂川さんは、廃棄物対策豊島住民会議の元議長。2007年にNPO法人シブヤ大学(東京・渋谷)とNPO法人アーキペラゴ(香川県高松市)の共催イベントで講師をした縁から、アーキペラゴの「豊島ゼミ」の語り部を2015年まで務めた。

砂川さんの言葉を106ページにまとめた本は、アーキペラゴ理事の山下ナミさんが個人プロジェクトとして自費出版した。タイトルの『よっしゃ、やらんかい』は、砂川さんを支えた今は亡き仲間の言葉だという。

県も警察もまともに取り合わなかった豊島の住民運動は、奇異の目で見られたり、心無い言葉を掛けられたりする一方で、全国からの寄付や署名に助けられた。砂川さんは、「日本中の人に世話になった。豊島はそれを忘れたらいかん」と話し、住民が培った自治の精神を、未来に残そうとしている。

支援者だった弁護士の故・中坊公平氏らが設立したNPO法人瀬戸内オリーブ基金も、ウェブサイト「豊島・島の学校 豊かな島と海を次の世代へ」で情報発信を続けている。同基金は、「豊かな島 よみがえれ 産業廃棄物不法投棄と闘った豊島の42年展」を7月28日までサンポートホール高松(高松市)で開催している。住民運動の経過や島の自然など写真パネル約50点が展示されている。

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